特徴ある授業実践をおこなっている9名の大学教員で構成される「第4期MOSTフェロー」によるスナップショットです。MOSTフェローは、1年間かけて、対面・オンラインで継続的に交流しながら、自身の授業実践のスナップショットを作成しました。MOSTフェローの授業実践の成果は、第22回大学教育研究フォーラムの個人研究発表でも報告されました。(MOSTトップへ)
スナップショット・ギャラリー
社会人教育用映像教材を用いたアクティブ・ラーニング型授業の試みと課題 |
産業能率大学では、企業から提示されたビジネス課題の解決やケーススタディ、ロールプレイングなどを通して、経営の知識やリーダーシップ、問題解決手法、ビジネスコミュニケーションスキルなどを学習する「アクティブ・ラーニング型」の授業が数多く開講されている。また、同一法人に産業能率大学総合研究所という社会人教育機関があり、多くの企業のマネジメント研修を手がけているため、企業研修用の教材(ケース教材、映像教材等)も多数開発されており、上記のアクティブ・ラーニング型の授業の一部では、この社会人教育用の教材が学生教育に活用されている。 筆者が担当する「ビジネスコミュニケーションスキル」(経営学部3年次・心理・コミュニケーションユニット所属学生対象)でも、社会人教育用の教材を活用しながら、実践的な授業を試行している。しかし、これらの教材は社会人を対象として開発されたものであり、教材内で使われている用語やシチュエーションなどが学生にとって身近なものでないため、授業内容に対する学生の理解を促進する上で改善すべき余地が多々ある。 そこで、本スナップショットでは、上記の授業(「ビジネスコミュニケーションスキル」)において、筆者が社会人教育用の映像教材を活用して行った授業(主にビジネスファシリテーションスキルの実践演習について)の報告を行うとともに、そこでの課題を踏まえ検討した課題解決策を紹介する。 |
正課外の地域活動プログラムにつなげる初年次PBLの試み |
「ダブルホーム活動入門」は、新潟大学ダブルホーム活動の導入授業として初年次学生を対象に開講している。ダブルホーム活動とは、地域が持つ教育力を活用して学生の汎用的能力を向上させることを目的とした新潟大学の学生支援プログラム(正課外活動)である。本授業は、学生たちがダブルホーム活動へのモチベーションを高め、チームで地域活動に取り組むための心構えを身につけることを目的としている。地域の人々の暮らしや歴史に触れ、地域が持つ魅力や課題を発見し、自分の立場から解決方法を考えていくPBL(Project-Based Learning)と位置付けている。 |
ビデオ教材を用いた産学連続教育 |
法政大学では、2010年度から5年間に渡って行われた文部科学省『大学生の就業力育成支援事業(就業力GP)』採択プロジェクトに参画し、大学の学びと社会の実践を連続的に接続するための様々な教育手法を企画実践してきた。本実践はその取組のひとつであり、企業の仕事をビデオ教材化することにより、就業経験のない大学生にケーススタディを行うキャリア教育メソッドの構築と同時に、産学連携・連続の若者育成システムの構築を目指す試みである。 |
アクティブラーニングを用いた医療人育成教育 |
医療人育成教育にPBLなどのグループ学習(アクティブラーニング)や反転授業を取り入れてその効果を測り、自らの専門的立場から積極的に他の職種へ医療やケアを提供できるような人材を育成する教育カリキュラム確立のための基礎材料としたい。 ここでは、本学における主なアクティブラーニングから、特に初年次に行っている下記1.2の科目について報告する。 |
理工系大学における地域社会連携型リーダーシップ教 |
産学連携・地域連携をテーマに理工系学生へのPBL型リーダーシップ教育を設計・導入する。 工科系大学において、特に注力されている専門教育を支えるうえで今後より重要となるであろうコンピテンシー能力を開発するため教育を、 教養課程における初年時に「PBL型リーダーシップ教育」として導入する。 その結果、工科専門科目の学習効果が高まり、より明確なキャリアビジョンが描かれると考え取り組んでいる。 |
フライトシミュレーション教育におけるパフォーマンス評価指標としての生体情報の活用 |
本研究は、シミュレーション教育における教育効果向上を念頭に、 生体情報を用いて訓練生パフォーマンスの傾向を分析し、その結果と作成したルーブリックに基づく評価の両観点から、定量的評価の可能性について検討するものである. |
大学教育における知識構成型ジグソー法を活用した協調学習の展開 |
大学教職課程において小学校社会科教育法の講義(社会科概論・社会科の指導法・社会科教材研究)を担当している。学生が主体的に学ぶことができる方法としてグループ活動を実践し実践を積み重ねてきたが、さらに効果的な協調学習を模索したいと考えた。2013年度に初めて「知識構成型ジグソー法」を取り入れたところ、事前事後の確認テストにおいて学生の変容を把握することができた。本研究では、これまでの実践を基に学生の変容を量的・質的に分析することを目的としている。 |
課外型PBLの成果物を活用した反転授業の試み |
与えられたテーマから学生たちが問題意識をもって取り組むPBL型課外活動で、学生視点で作成した成果物を活用した反転学習で学生たちは何を学び、何を身につけるのか?また、そのようなアクティブラーニングを実践し、活動や授業を運営していく教員にとって、どのような課題があり、どのような立ち位置にいることが効果的なのかを探る。 → 第22回大学教育研究フォーラム・発表スライド
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口頭アウトプット演習の試み |
『口頭の質問に十分な回答ができなかった』という薬学生や指導薬剤師からのコメントが多い。これは、臨床現場では口頭に質問や説明など速さと簡潔な表現力が求められる機会が非常に多いのにもかかわらず、大学教育ではComputer-based Testやマークシートで回答するアウトプットが多いことが原因と考えた。そこで、臨床現場での会話をモチーフとした“口頭アウトプット演習”を、多人数クラスの講義の一部に組み込んだ。 |
第4期MOSTフェローの活動について
第4期MOSTフェローの活動について紹介します。
2015.3.14 第1回ミーティング(於:京都大学)
2015.8.20-21 第2回ミーティング(於:京都大学)
2016.3.17-18 第22回大学教育研究フォーラムでの個人研究発表
2016.3.18 第4期MOSTフェロー修了式