第8期MOSTフェロー スナップショット・ギャラリー

特徴ある授業実践をおこなっている10名の大学教員で構成される「第8期MOSTフェロー」によるスナップショットです。MOSTフェローは、1年間かけて、対面・オンラインで継続的に交流しながら、自身の授業実践のスナップショットを作成しました。MOSTフェローの授業実践の成果は、第26回大学教育研究フォーラムの個人研究発表でも報告されました。(MOSTトップへ



スナップショット・ギャラリー

医療専門職の解剖学教育と支援

医療専門職の解剖学教育と支援
神崎秀嗣先生(秀明大学)

解剖学は医療専門職の養成においては、生理学と同様、基本的科目であり、看護学部1年生の前期から通年で学ぶ。臨地実習などで必要となる基本中の基本の知識であり、三次元的な知識の定着が必要である。これまで、ガニエの9教授事象を用いた講義中心の授業を行っていたが、学生には退屈で分かりにくいようであったことから、学生との関わり方を重視し、仕事理解を促すような講義、「ゆるい」質問を投げかけるペアワーク、「身体の白地図」に臓器・血管を記載するようなにグループワークを行った。その結果、学生からは「先生の質問が面白い」「楽しい」などの言葉が定性的なインタビューから出た。キャリアカウンセリング的関わり方、構成的グループエンカインターは解剖学にも効果的のように思われた。最後に解剖学の復習と生命倫理の講義の講習を行った上で検体解剖見学を実施した。その結果、生命の尊厳だけでなく、三次元的な解剖学の知識を促すインタビューコメントを得たことから、講義中心ではなく、ペアワークやグループワーク、検体解剖見学などの「特別活動」の導入は学生の理解を促す効果があると思われた。

 

線形代数授業における反転授業の効果検証

線形代数授業における反転授業の効果検証
吉冨 賢太郎先生(大阪府立大学)

線形代数は,特に後期においては,ベクトル空間・部分空間・基底・一次独立性・和空間・線型写像の像と核・基底と座標・表現行列などの抽象概念が多数登場する.抽象概念は学生にとって認知的負荷が特に高いと考えられるので,反転授業における予習活動によって,この認知的負荷が低減するのかどうかを検証していく.手法として,授業内でのグループワーク後のルーブリックによる学生の内省,オンライン復習演習の実施内容,過去と同一の紙の小テストの比較,また,協力が得られればクラス共通テストにより検証していく.

 

酪農家民泊体験実習とは,主に大学3年生,4年生を対象とした宿泊研修を伴う実習系の授業である。 授業は事前説明会(30分程度)と二泊三日の民泊体験からなる(内訳:酪農家民泊体験が1泊2日,振り返りのワークが1泊2日)。 本コースポートフォリオは大きく次の2つから構成されている。 1点目は,この2019年度に実施されたこの酪農家民泊体験実習学生の概要の説明である。 2点目は,民泊体験での学生の学びをとらえるためのツールとしてもちいられたコンセプト・マップを評価するために作成されたルーブリックの説明である。

 

異文化交流 III

異文化交流 III
山田直子先生(佐賀大学)

2018年度および19年度前期に実施した教養教育科目「異文化交流III」のコースポートフォリオである。高等教育において留学生と国内学生の共修授業は一つの方法として取り組まれている。本ポートフォリオでは、文化的背景や言語能力が異なる多様な学習者が協働学習を通じて異文化対応力(Intercultural Competence)の向上を目指す授業においてポイントとなる点(環境設定、活動内容、介入方法、評価方法など)について検討するものである。
学生の英語の発音を改善していく本授業では、言語不安や対人恐怖を軽減し、学生がリラックスして授業に参加することができ、声を出しやすい雰囲気を作ることが重要であると考える。そこで、教室に学生と教員以外のロボットが存在することで、英語発音トレーニング授業の質を改善する可能性を検討する。

 

本研究の目的は,環境工学を学ぶ学生を対象として,複合的な情報通信技術(Information and Communication Technology, 以下ICTと称す)を活用するタスクを組み込んだ「情報処理入門」の授業モデルを提案することである。

 

本実践の目的は,教員養成課程の学生が、「プロジェクト学習(PBL)」を通して、自らが主体的・自律的・協同的な学習者となり、かつ将来の教員としての資質・能力を獲得できるかを明らかにすることである。具体的には,「中等英語科指導法(授業論)」(教科の指導法に関する科目)において,「中学生が心を動かされ,英語に興味を持つ」という課題のもと,現代の中学校の英語教育の課題を発見し、その解決を目指したの英語教材の開発を行った。さらに、開発した英語教材を用いた授業設計と模擬授業、および選抜チームが実際に中学校で授業を行った。一連のプロジェクト学習を通して学生がどのように変化していったかを,学生たちの毎回のリフレクションや学習動機履歴および最終アンケート等によって考察した。
2019年度後期に開講したジェネリック・スキルトレーニングⅡ(以下、ジェネⅡと略述する)のコースポートフォリオである。ジェネⅡは多文化共生社会を意識したチームビルディングを主な学習内容・育成ポイントとして開講している科目である。これまで、学生アンケートから、自己有用感が促進され、他者との協働へ意識の向かうこと、とりあえずやってみようと一歩踏み出すこと、に意識の向かうことが確認されていた。今年度はこれらを踏まえ、学生へより効果を生じさせる働きかけとして、他者との関わりから自身を捉えなおすことなどを意識的に行った。本ポートフォリオでは、学生へ一定の効果を持ったと考えられる働きかけポイントを今後も検証を続ける仮説として提示するものである。

 

今日の日本の現代的状況において、「地域の未来を担う人材」を高等教育においてどのように養成するかは喫緊の課題である。本教育実践では、必ずしも「地域志向」を有しない学生が地域PBLの授業を通じて地域をどのように認識し、どのような態度を獲得していったのかを検証することを目指した。具体的には、発表者が所属先で主任を務める「地域みらいづくりコース」のなかの演習科目「地域創造演習Ⅱ」の内容と学生の反応を確認し、そこから今後の課題を抽出した。

 

北陸大学薬学部では、2010年度より初年次にアカデミックスキル科目「基礎ゼミⅠ」を開講している。この「基礎ゼミⅠ」を2017年度からアクティブラーニング(AL)化した後、1年次前期GPAの向上が認められた。本研究では「基礎ゼミⅠ」をAL化する前と後で学生の学習行動にどのような変化が起きたのかを、アンケート調査を行って検証した。その結果「基礎ゼミⅠ」を通して身についたと思う力を、協働作業力や忍耐力と答える学生がAL化後に増えた反面、読解力や文章作成力と答える学生が減ったことが明らかとなった。