第7期MOSTフェロー スナップショット・ギャラリー

特徴ある授業実践をおこなっている10名の大学教員で構成される「第7期MOSTフェロー」によるスナップショットです。MOSTフェローは、1年間かけて、対面・オンラインで継続的に交流しながら、自身の授業実践のスナップショットを作成しました。MOSTフェローの授業実践の成果は、第25回大学教育研究フォーラムの個人研究発表でも報告されました。(MOSTトップへ



スナップショット・ギャラリー

芸術による社会力の育成の可能性について

芸術による社会力の育成の可能性について
有賀三夏先生(東北芸術工科大学)

昨今、芸術はビジネスとの接点が取りだたされている。しかし、芸術は本来人生を豊かにするものである。本講義では、芸術の社会的影響力に着目、芸術がいかに人間性、社会性を育むものであるのか、その可能性を多重知能理論を裏付けの理論として授業展開した。その結果、自己の特徴として顕在化している才能だけでなく、潜在的なものに対しても芸術活動を通じて育まれることが分かった。

 

近年日本の大学教育においては、キャリア教育・英語4技能教育・アクティブラーニング・グローバル人材の育成などの多種多様な実践課題が求められおり、それに対応すべく多くの大学教員は自身の專門知識と経験を活かした特色のある科目作りに励んでいる。筆者も自身の学習経験・教育経験・長期に渡る海外在住経験を活かした指導に取り組みたいと思い、2017年度より武庫川女子大学においてキャリア教育と言語教育を統合した新科目「英語で学ぶお金の知識」を実践している。

 

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ケースメソッド型授業(CMT: Case Method Teaching)を学部の初年次学生向けの入門科目で実施し、知識習得等を学習目標にして、その教育効果を検証します。CMTは①個人予習、②グループ討論、③クラス討論、④ストーリーが特徴です。比較対象として、CMTとは異なる学生参加型学習法により上記①②③を実施します。その上で、ストーリーがあるCMTで①②③④を実施して、その教育効果を比較・検証します。

 

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高専におけるイノベーション人材育成について

高専におけるイノベーション人材育成について
下郡啓夫先生(函館工業高等専門学校)

現代のグローバルビジネスにおいては、多様かつ複雑化する顧客ニーズに応えることだけではない。激化する価格競争やAIを中心としてテクノロジーの進化にともない、新商品開発や事業の構造改革など、これまでにない価値を創造する力も求められている。本研究では、グローバルビジネスに欠かせない資質・能力を開発していく上で、自身が担当する科目『グローバル・ケーススタディ演習』の改善点を分析した。その結果、性格特性Big FIveの外向性・勤勉性と論理性がどのような道後作用を起こしているのか、グループワークの外向性の表出のステップごとに分析しながら、創造性の阻害要因を特定する必要があることを見出した。
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在宅看護は、医療施設での看護と違い、療養者・家族が生活している場に出向き看護を行う為、学生のイメージ化が課題となる。そのため、教員からの一方向的な知識伝達型講義の学習スタイルではなく、体験型の学習が望ましいと考えた。 自然災害の多い日本において、様々な在宅療養者に応じた災害看護を強化していくことは重要と考え、従来行っていた個別演習を、在宅療養者向け防災用リーフレット作成のプロジェクト型学習に変更し、さらにその知識を様々な対象に応用して援助を考えるグループ演習につなげていけるよう授業改善を試みた。

 

教養教育において芸術科目が担えることは何か。筆者は、音楽そのものを学ぶことでその後の人生がより豊かになるような学び、あるいは音楽を通して得た学びが専門教育に波及できるような学びを提供したいと考え授業を構想、実践してきた。具体的には、即興演奏を中心とした体験をもとに受講生が各自持っている「音楽とはこういうもの」という既成概念(音楽観)にゆさぶりをかけ、概念の再構築を促すことで、批判力の育成を目指す講義を展開してきた。今回は、その実践の概要を提示することで、ともすると鑑賞者の育成に偏りがちな教養教育における音楽科目に別の可能性を提示したい。

 

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産学連携PBLを学部初年次に行う意義と課題

産学連携PBLを学部初年次に行う意義と課題
茂住和世先生(東京情報大学)

産学協同の活動やProject Based Learning(以下PBL)は高年次に行われることが多い。本実践はそれを①入学直後の初年次前期に行い、②企業課題の解決に初対面のメンバーで構成されるチームで挑み、③それを半期のうちに2度経験させる、という特徴を持つ。本講義を受けた彼らは、企業人の姿勢や考え方に直に触れることで、社会で求められる人材像と自分とのギャップに思い至り、今後の大学生活ですべきことをそれぞれに見出す。社会のリアルと対峙できる「産学連携PBL」を初年次で行うことの意義、そして、主たる学生がノンエリート層である本学のような大学でも実践可能であることを報告する。

 

グループワークに手応えを感じつつ、時間も手間もかかる割に扱える内容は座学より少なくなりがちで、評価やフィードバックに苦労しがちな状況に、授業をする側も受ける側も戸惑いがあるのではないか、と考えた。ただ、筆記テストではアクティブラーニングの特性を生かした評価として不十分とも考えた。
これまで結果評価に偏りがちな傾向が強かったとすれば、途中の状態を把握することでその特性を生かせると考えた。受講生に随時フィードバックし、働きかけも修正することで、どの取り組みがどの結果につながっているか因果関係を意識することができ、ひいては行動変容につながることが期待できる。
ただ、結果に影響を及ぼす行動の変化そのものを測ることは難しく、リフレクションシートの自由記述から得られるテキストデータに着目した。テキストデータの分析で、振り返りで意識できた事を指標化できれば、意識できなかったことよりも受講生の行動変容につなげやすいと考えた。
ここでは、受講生の振り返りを可視化、意識強化を図るプロセスに着目した取り組みを報告する。あわせて、毎回の授業後回収したリフレクションシートのテキスト分析、質的評価、それをもとにしたフィードバックなど行動変容を促す取り組み、受講生を3年間追跡した分析結果なども提示する。

 

対象とする科目は、学生に、大学院での学び、環境科学の俯瞰的な視点、グループ議論のやり方、大学院修了後のキャリアパスを考える機会を提供している大学院の入学式翌日からの3日間の集中講義である。2015年から学生アンケートを活用して授業改善を行ってきた結果、学生評価は高くなってきている。また、2017年度からGoogleフォームを導入し、100名以上が参加する大規模授業でも、即時的な把握が可能となり、講義中に、的確な助言が出来るようになった。その一方、まだ、TAの役割等の改善が出来ていない点もある。

 

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本発表では、大阪工業大学情報科学部開講科目「観る文学」(共通教養・人文社会学系科目)の教育実践を報告する。本科目では、絵巻物を中心に取り上げ、データベースやアプリケーションを活用して作品内容を理解し、「より分かりやすい絵巻物鑑賞方法」を考案することを学習目標の一つにしている。従来は7作品を扱い、基礎知識の理解を確認する試験やレポートで評価を行っていたが、扱う作品を3作品に限定したうえで「いかに情報科学を活用し、絵巻物を魅力的に展示するか」という問題解決型授業へと変更したところ、課題挑戦への意欲や達成度の向上がみられた。

 

第7期MOSTフェローの活動について

第7期MOSTフェローの活動について紹介します。

2018.3.22 第1回ミーティング(於:京都大学)

2018.8.26-27 第2回ミーティング(於:名城大学)

2019.3.23-24 第25回大学教育研究フォーラムでの個人研究発表

2019.3.24 第7期MOSTフェロー修了式