MH式ポートフォリオ大学英語学習者用を活用した

自律した学生の育成と教師の授業改善を促す試み

[村上裕美] [関西外国語大学短期大学部]

 

概要:

本研究は、自律した学習者を育成し、同時に学習者の学習効果を高める目的で開発し、学生に配布してきた種々の学習支援のためのシートを冊子化したポートフォリオについて報告する。本研究の背景には、発表者が挑戦的萌芽研究(平成21年―23年 21652059)において、授業参観者が批判的視点に立たない観察を可能とする授業観察シートおよび授業改善のための手引書の開発を行う過程で、授業参観が実現しない環境にある大学教員が自発的に授業改善及び授業力を向上させる機会を提供する目的でポートフォリオの開発に至った。英語学習者用ポートフォリオの使用から学習者のみならず様々な効果が期待できることを報告する。 

キーワード:[ポートフォリオ・授業改善・授業改善・学習者の自律・大学英語教育]

関西外国語大学

取り組みの背景

 学生の学習効果を高めるため、自身の授業力向上と授業改善を行う視点からアクションリサーチ、同僚との授業観察、自己点検のためのシート作成と使用等を行い、自身の授業改善に務めてきたが、教師の献身が学習者の自律を妨げていることに気付き、授業改善には学習者の自律が不可欠であると感じた。

 毎日のように研究室に学生が訪れ、相談に対応していく中で相談内容を記録し分析すると、学生が不安に思ったり何に悩んでいるかを自分で分析できないため、相談に訪れていることが明らかになった。相談内容を分類すると学生生活、進路、英語学習や留学の3タイプに分けることができた。そこで、各タイプ用のプリント(シート)を作成し、必要に応じて授業時や研究室での指導時に使用した。

 各シートの効果を高める目的でシートを目的別に編集し冊子(ポートフォリオ化)するに至った。また、本取り組みはFD活動が実現しない教師にとり、MH式ポートフォリオ英語学習者用を使用することにより授業改善と授業力育成の機会提供となることを願い開発した。

 

取り組みの位置づけ

 現時点では、本学では発表者が授業で使用するのみである。

平成24年4月から京都の私立大学にて1年生の英語必修科目の授業においてMH式ポートフォリオ大学英語学習者用を採用いただき、使用されている。また、挑戦的萌芽研究(平成21年度―平成23年度21652059)の活動および基盤研究C(平成24年度―平成28年度24520687)の研究活動として関西を中心とした全国の大学で使用を希望してくださる教師の方々に提供し、4月から使用いただいている。使用いただいている学部・講義科目・学年等まちまちで、使用する教師の専門も多岐にわたる。

今年の使用の結果を受けて今後、MH式ポートフォリオ大学英語学習者用の学習者を自律した学習者として育て、英語学習の成果を高めるか、また、使用する教師の授業改善及び授業力の育成に貢献できるかが明らかとなる。

取り組みの内容・方法

学部 (専門選択科目) 資格英語A(英検準1級)

短期大学部 (必修科目) Grammer

                (専門選択必修科目) 人文学特別演習

上記3種の授業において本年はMH式ポートフォリオ英語学習者用を副教材として使用。毎回の講義で学生が持参し、講義記録、小テスト点および課題提出管理、各技能別シートへ等に記録している。発表者はシートの回収・コメントや指導の記入を行っている。

学生・教員に対するインパクト

学生のコメント: 学習動機の向上および成果の可視化への評価

①自分の成長がポートフォリオでわかる。成長記録である。 ②英語学習での気付きがいつでも見直しできる。③記録した学習のポイントや工夫が今後に役立つ。④Tweetに書き込まれた先生のコメントが嬉しい。やる気が出る。励まされる。

学生の変化: 自身の学習への評価と内省、学習結果に対する自己責任の認識

自身の学習の記録を振り返り、取り組みを反省するとともに新たな学習の計画を立て直す姿勢が身についている。また、学期の終了が近づくにつれ学習成果を自己責任として受け止める傾向が高くなる。講義開始時から全ての記録がポートフォリオに残っていることから、成長した点とさらなる努力が必要な点が把握できている。

教師のコメント:発表を聞いて下さった教師の大半は使用に関して消極的で、積極的な使用を希望下さる教員は2割 (発表時に実施したアンケートから)

取り組みの視点

1. 使用した学生の反応と使用に消極的な教師との温度差

2. MH式ポートフォリオの使用がもたらす教師の授業改善の可能性について。MH式ポートフォリオは以下の4種あり、現在、順に出版作業にかかっている。それら4冊がそれぞれに使用する教師の授業改善および授業力育成の一助となるようデザインしている。

①英語学習者用 ②大学教師用 ③初年次教育用 ④海外語学研修用


取り組みからの示唆

 学内FD授業研究会で発表した際には、ポートフォリオの紹介が中心であったため、授業で実際にどのように活用できるか、どのような効果があるか知っていただくことができていない。各種学会や講演会でポートフォリオについて聞いて下さった先生方から寄せていただく反応とは温度差があり、本ポートフォリオについて感想や意見を聞かせていただきたい。

 

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