理工系大学における地域社会連携型リーダーシップ教育

京都工芸繊維大学 津吹達也

ローカルからグローバルへ。TECH LEADER PROGRAMの立ち上げと推進。

産学連携・地域連携をテーマに理工系学生へのPBL型リーダーシップ教育を設計・導入する。

工科系大学において、特に注力されている専門教育を支えるうえで今後より重要となるであろうコンピテンシー能力を開発するため教育を、
教養課程における初年時に「PBL型リーダーシップ教育」として導入する。
その結果、工科専門科目の学習効果が高まり、より明確なキャリアビジョンが描かれると考え取り組んでいる。

◆背景と目的

京都工芸繊維大学では、COC事業(2013年度採択)、スーパーグローバル大学創生支援事業(2014年採択)で「Tech Leader」の育成を目標として掲げている。これからの産業を担う、実践型の理工系ビジネスリーダー(Tech Leader)を育成するための産学連携型リーダーシップ開発カリキュラムを2015年度より開講・立ち上げた。 特に地域連携を念頭に、京都府におけるものづくり産業に貢献する人材開発を、企業関係者と議論、地域社会・企業から求められている能力指標「コミュニケーション力、リーダーシップ、課題解決力」に重点を起き、その能力を開発する授業カリキュラム設計を行う。

Tech Leader : 専門分野の知識・技能を基盤として、グローバルな現場でリーダーシップを発揮してプロジェクトを成功に導くことができる人材。

 

◆カリキュラム目標

1:地域社会の現状と課題を理解し、地域課題解決の提案を行う

2:グループワークを通じ、コミュニケーション、プレゼンテーションの能力を身につける

3:自身の強みと弱みを理解し、リーダーシップの基礎と仮説を構築する

4:理工系ビジネスリーダ―(Tech Leader)としてのリーダーシップを開発する

◆カリキュラムの目的

1.2回生あるいは修士において、自らの選択した専門科目を学習・研究していく上で、今後の学習成果を最大化するための素養を身につける
2.実験・実習などチームで活動する状況に置いて、より高い成果を出す為のリーダーシップの発揮能力を身につける。 
3.地域・企業と連携し、将来のキャリアにおけるビジネスの現場に置ける実践的なリーダーシップ、専門知識発揮の場を通じ学習する。

◆育成すべき人材像についてのリサーチ

 地域・企業に理工系大学が求められる「育成すべき能力」は何か。この疑問から本取り組みはスタートした。京都府内の企業(経営者及び人事担当者)を対象としたアンケートを実施した。(表1、表2)

表1:理工系大学の大学教育に対する期待

 

回答者数

n

77

1

論理的思考や課題解決能力を身につける

70.1

2

専門分野の知識・技術を身につける

68.8

3

チームを組んで特定の課題に取り組む経験

51.9

4

実社会や職業とのつながりを理解させる教育

35.1

5

専門分野に関連する多領域の基礎知識も身につける

32.5

6

職業意識や勤労観醸成に役立つプログラム

19.5

7

一般教養の知識に身をつける

19.5


表2:理工系大学卒業生の採用時点での重視する能力

 

 

 

重視すると回答した割合

1

課題解決能力

%

36.4

2

実行力

%

33.8

3

創造力

%

32.9

4

主体性

%

32.5

5

コミュニケーション能力

%

32.5

6

チームワーク・協調性

%

27.6

7

論理的思考力

%

23.4

 以上のような回答内容をもとに、思考力・判断力・表現力といった、汎用的能力を高め、また34年時以降で学習する研究内容をより事業として価値あるものに展開する能力の育成を行うことが必要ではないかという議論を行った。

 

◆対象となる実践について(カリキュラムシラバス)

京都工芸繊維大学 Tech Leader Seminar

2015年度前期学部科目 「リーダーシップ基礎I」クラス

http://goo.gl/40k13u

◆協力者・ピアレビューについて

◆島根大学 キャリアセンター 本田周二様

反転授業、リーダーシップ開発のプレ、ポスト調査についてご助力いただいた。


◆課題提供 京都府綾部市役所 商工労政課様

授業内の地域連携課題として、ご協力をいただいた。

http://www.city.ayabe.kyoto.jp/

◆授業内容とその効果について

2015年度は初年時生を対象とした「リーダーシップ基礎I」「リーダーシップ基礎II

」を設置・開講した。受講希望者は、当初の想定を大幅に上回り、100名の履修応募を受け付けた。ここから、学生ら自身が、自らの課題意識として、伸ばしたい伸ばすべき能力としてのリーダシップ・コミュニケーション能力・思考力には大きな関心があることが見てうかがえる(授業科目数については来期以降拡充し対応をしていく予定)。

「リーダーシップ基礎I」では綾部市と連携をし、「綾部市水源の里に若者が来訪するプランを考える」というテーマを設定。100名から履修選考を行い、40名が履修。4−5名の選考領域の異なる学生でのチームでの課題解決ワークを行う。

クラスには、履修生の中から上級生の学生を選抜し、チームには入らないCA(Class Assistant)としての任を独自に設置。クラス内のコミュニケーションやリーダーシップ開発へのアドバイザーとしての役割を担った。

 

 

来年度以降の展開

TechLeaderの能力を可視化する上での指標として、ルーブリック評価を用い、以下の能力要素を定義した。

  専門性、②リーダーシップ、③外国語運用能力、④文化的アイデンティティ

上記の要素をさらに細かく13の項目に分類。これらの指標をルーブリック評価に落とし込み、カリキュラムの前後、また学年を経るごとでの能力の変化・成長具合を測る取り組みを行っていく。

 

また2016年度は、開講科目数の増、新入学生を対象に科目の選択必修化、科目担当教員の拡充を行い、全学をあげてのTech leader育成を取り組んでいく。

◆授業スケジュール

#

Date

曜日

内容

内容

1

4/9

クラス内容説明

オリエンテーション

2

4/16

リーダーシップについての定義

リーダーシップの定義を学ぶ 

3

4/23

リーダーシップの理論について

リーダーシップ開発の手順 

4

4/30

地域課題についてのリサーチ

地域課題についてのプレゼン 

5

5/7

プロジェクト課題 掲示

綾部市クライアント様来校

6

5/14

課題分析

地域課題の分析 

7

5/21

課題分析

 

8

5/28

課題分析

 

 

6/4

(休講)

 

9

6/11

中間チェック(アドバイス)

クライアント様来校

10

6/18

グループワーク

 

11

6/21

補講

綾部市へのフィールドワーク

12

6/25

クラス内プリプレゼン

プレゼンテーション練習

13

7/2

提案プレゼンテーション

クライアント様来校

14

7/9

チーム内振り返り

リーダーシップの振り返り

15

7/16

最終振り返り

 

◆Pre/Post調査

【アクティブラーニングとしての反転授業】リサーチによる考察

 

〇深い学習アプローチ

→5件法で、4.20(ポスト)と非常に高い。授業の中で深い学習が促進されているものと考えられる。 

〇浅い学習アプローチ

→プレポストでの変化は有意ではありませんが、5件法で、2.21(ポスト)と低いと判断できる。 

〇予習の仕方

→プレポストでの変化が有意。授業を通じて、より主体的に予習をするようになったものと判断できる。 

〇知識・技能

→授業を通じて、「リーダーシップの能力」「プレゼンテーションの能力」

「他の人と協力して物事を遂行する能力」の3つが特に身についたと感じている。 

〇満足度

→3項目とも、5件法で4以上と反転授業に対する満足度が非常に高いと判断できる。 

〇学習時間 

→全体的な傾向として事前の学習時間が増加し、理解度も高くなっていると考えられる。

◆授業内実施プレポスト調査シート

20151003_反転授業ポスト.pdf

20151003_反転授業プレ.pdf

 

◆スク―(WEB動画)の活用について

https://schoo.jp/course/160 

5月毎火曜日 33回にわたり以下内容で登壇

•Day1 5/12 エンジニア向けのリーダーシップ - 定義とメカニズム
•Day2 5/19 エンジニア向けのリーダーシップ - 目標設定と自分発動
•Day3 5/26 エンジニア向けのリーダーシップ - 実務での応用
 
◆動画を活用した、舞鶴高等専門学校との共同授業
舞鶴高等専門学校と共同のリーダーシップセッションを実施。
平成27年6月20日 舞鶴高等専門学校 40名、本学学生 7名
COC事業の一環として、舞鶴高等専門学校生40名が来学。
リーダーシップ基礎の科目をベースにしたワークショップを実施する
(参加学生の満足度 4.8点と非常に高い評価を頂く)
 
事前学習として、上記Schooの授業動画を、閲覧し、事前課題に取り組んでもらう。
セッション当日は、本学学生6名と舞鶴高等専門学校生40名の共同でのリーダーシップセッションを行う。
事前学習会を動画で行ったことから導入が非常にスムーズであった。
 
 

 

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